テンションの上がった山ガールたち
【3日目 ミンタロ・ハット > ダンプリング・ハット、14km】
どうしても早起く目が覚めてしまう。
もう少し身体を休めようと思うが、はやる気持ちが夜明け前からキッチンへ向かわせる。
でも数名はぞろぞろと散歩している。
早起きのメンバーはドイツ人、オランダ人、オーストラリアのお父さん、そして私。
全員男性。
顔を合わせると『なんとなく起きちゃった』みたいな感じだ。
ワーデンの絵天気予報ではずーっと晴れそうな感じだ。
とりあえずきれいな景色を堪能できそうだ。
この日はミルフォードトラックのクライマックスともいえるマッキンノン・パス越え。
出発から2時間ほどは登りつづけるのだ。
落石注意の看板が多くなってくる。
そして道はジグザグ登りがずっと続いている。
この道を開拓した人はすごいなぁ感心する。
息が切れるし持ってきた飲み水も少なった。
クッキータイムは残り少ないので相方さんの分をコッソリ頂く。
そしてマッキンノン記念碑へ到着。
こんな感じで写真を撮りたいと思っていたので大満足。
そしてこのお天気。
晴れ男か?と聞かれれば、今日はYES!と答える自信がある。
1888年 のマッキンノンとミッチェルによるトラック開拓の労を讃える記念碑とかなんとか書いてある。
この道造ったのすごいです。
いよいよミルフォードトラックの最高地点へ。
作家のすごいところは、言葉で目の前に広がる風景や景色を相手に想像させるところだ。
この風景をどんな言葉で言い表せば伝わるのだろう。
カメラを置いてしばらくぼーっとしてみた。
ぼーっとしていると寒くなってきた。
天気がいい割には風は結構強く、気温もソコソコ低い。
半ズボンをはいているのは欧米人だけだ。
さて、マッキンノンパスを過ぎると今度はジグザグの下り。
下りは景色を見ながらゆっくり進んだ。
ラージ・マウンテン・デイジー。
そこいらじゅうに咲いている。
ニュージーランドの固有の植物は白い色が多いと聞いたことがある。
しばらく行くとシェルターがあったのでこちらで昼食。
出発日前日に買ったハムがまだ大丈夫そうだ。
マヨネーズとハムをパンに挟んで食べる。
こちらのパンはおいしい。麦の粒々が少し残っていてアクセントになる。
このシェルターから見る景色は、絵画を見ているようだった。
滝が多くなってきた。
今夜のハットにつく前にニュージーランドで最も落差のある滝がある。
往復1時間ほどかかり、だいぶん疲れていたが、行っておかないと後悔する気がした。
ガイド付のハット、クインティンロッジの近くのシェルターにザックを置いて見に行く。
ほとんどの人が行ったようで、すれ違う人はみんな『カメラは濡れるから手前で置いたほうがいい』とアドバイスをくれる。
ハットで一緒のオージーが橋の上で奥さんを待っている。
どこの世界も女性は元気だ。
サザーランドの滝。
遠くから轟音とその雄姿が美しい。
さて、実際に行ってみると台風並みの風で、滝壺には容易に近づけない。
水しぶきが当たり、さらに風が吹くので寒すぎるくらい。
あとで聞いたのだが、滝の裏側に行けるそうだ。
どうやっていくのかさらに聞いてみると、とにかくびしょ濡れになるらしい。
富士山と同じで遠くから眺めているのが一番いいのかもしれない。
オージーオジサン正解。
最後のハットダンプリングへ到着。
整備が行き届いていて快適なハットだ。
光栄にもお料理担当を命ぜられ、黙々とご飯を作る。
と言ってもレトルトなので温めるくらいなのだが。
きれいなバンクルーム。
食事時間はかなり楽しい時間になった。
ワーデンからくれぐれも明日の船に遅れないようにね、と注意があった。
いよいよ明日はミルフォードトラック最終日。
なんだかあっという間だ。